2005年に設立し、来年で15年を迎えるシンプライン。
社長と呼ばれることを好まない代表清水に、なぜ会社を設立したのか?を聞いてみました。

――はじめに、清水さんのバックグラウンドを教えてください。
高校を卒業した後に5~6年ぐらいバックパッカーで放浪みたいなことをしてた(笑)。北米、ヨーロッパ、中東、アジア、アフリカ、色々行った。日本もバイクで旅したりと。最初の会社には20代半ばで営業として入社。当時から一貫して業界はIT系だね。それから10年ぐらいサラリーマンを続けて、今の会社を立ち上げて今に至ると・・・。

――なるほど。起業しようとしたきっかけは何かあったんですか?
自分がいた会社もそうだったけど、日本の会社は官僚的だったり政治的なことが多いでしょ。そういうのが苦手だったのかな・・・。上司との関係性が人事評価に繋がったり(上司って自分じゃ選べないし)、失敗する可能性があるからやらないとか(だと新しいこと挑戦できないし)、会社や上司が決めたことが判断基準になったり(本来、お客さんにとって良いことが判断基準であるべきだし)。納得できないとはっきり物言う性格なので、それでもあまりにも変わらないことが多いと自分の中で消化できないことが増えたというのはあるかな。

あとはそれ以上に、サラリーマン時代は常に70~80%の力でやっている感覚が強かったかな。完全燃焼しない自分。誤解を恐れずに言うと、成果が出なくても給与が保証されているサラリーマンより「”自分自身を使い切りたい”と思って起業した」が一番かな。

――僕もこの会社長いですし、もうスタートアップではないと思っています。これからどんな会社にしていきたいですか?
何よりも1番は「社員やお客さん、社会にとって今より意義のある会社」にしたい。企業だから利益を追求することも必要だけど、関係する人にとって今以上に関わる意義のある会社にすることだね。それに、社員と会社はイーブンな関係でありたい。「自由と責任」は結構重要なワードで、「自分で考えて自分で行動する」っていう文化が根付いている会社にしたいね。

もう一つは、挑戦と失敗を大切にしていきたい。「今までこうだったから」「上司・先輩がこう言うから」「失敗するかもしれない」こういう考えより、挑戦していく人を応援していきたいね。失敗から人は学んで成長できる。もしかしたら成功よりも失敗のほうが自分自身を成長させてくれる。今日は成功できなくても、成長することでいつか成功する確率は上がる。あきらめなければいい。

――失敗も成功も同じ価値があるということですか?
そうそう。「失敗した、成功した」って結果より、ベストを尽くして取り組んでいるそれ自体がとても大事だから。それから「失敗するかも」じゃなく、意義があることであればとにかくやること。だめだったらまたやればいい。挑戦することには個人の資質も関係するけど、会社のカルチャーとして根付かせるのが僕の役目かな。

――ありがとうございます。そもそも、清水さんにとって仕事ってどういうものですか?
やらされてやるものじゃなく、自己実現するための手段。お金をもらう貰わないの違いはあるけど、趣味の登山とかマラソンと同じ感覚。自分を高めたり、精神的な充足感を高めるための手段として捉えてるよ。仕事って目的じゃないし。自分や自分のまわりの人たちの「人生」を豊かにするための手段だからね。
だからこそ仕事というのはとても大切なことだよ。

――仕事でしか満たせないものはありますか?
仕事でしか満たせないもの…ある。仕事以外はひとりで完結することしかないから影響力って小さいでしょ。でも組織って人が集まって何かを成すから、その分意義(対顧客、対社会)への影響が大きくなるでしょ?それは仕事じゃないと満たせない達成感じゃないかな。

あとは経営者をやっていると上手くいかないことが山のようにあって、当然ほっといても解決しない(笑)。「どう解決していくか」だけに頭がシフトできることはメリットだね。できない理由は一切考えなくなった(笑)。できる方法だけ考える!

――そんな仕事をどんな人と一緒にしたいですか?
多少観念的ではあるけど、全体感、大局観、中長期感を持ってる人。自分の利害は関係するのは当たり前だけど、全体にとって正しく考えられる人。あとは、賛成・反対の根拠が自分の利害だけでない人かな。
一生懸命頑張っている人は、何とかしてあげたいって気持ちは強いね。

――今いる社員に対しての思いを聞かせてください。
頑張ってる社員にはきちんと報いたい。これだけ会社が多い中でシンプラインの社員としている訳だから、経済的にも精神的にも充足感を感じられるようにしたいね。1日8時間も10時間も働くんだから、お金のためだけにはしたくない。「楽しい」とは違うかもしれないけど、達成感とか充実感を感じられる会社にしていきたいと思うよ。
自分自身もそうだけど、「人生を豊かにする」ために仕事をうまく使って欲しい。会社はあくまでその手段。家族や自分の人生を豊かにするための手段だよ。

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